見渡す限りの闇

 

・ニーウは時々悪夢を見る。酷く魘され、もがき、何かに縋るように手を伸ばすなど悪夢を見ている間は苦痛を感じているはずだが、目覚めたときには本人は何一つ覚えていない。

 

・ニーウの暗所恐怖症はこの悪夢からきているが、何が理由で闇が恐ろしいのか、何故闇の中では発狂してしまうほどの孤独感が襲うのか、何も分からない。本能レベルで潜在的な恐怖としてニーウの中に存在している。

 

・もし、この悪夢の理由ーー暗闇と孤独への根深いトラウマの正体を知ってしまったら、気が狂う程の孤独を呼び起こされ、絶望し、壊れ、余程の奇跡が起こらない限り元には戻らないだろう。それすらも本能的に分かっているからこそ、何も思い出せないのかもしれない。


 

何千年何万年何億年、もっとかもしれない、とにかくとにかく長い、永い、ながい、誰にも気付いてもらえない、僕はここにいるのに、どうして、ねえ、どうして?アイラク、イグ、みんな、だいすきなみんなは、

 

そうして誰にも気付いてもらえないまま、暗い、闇い、どこを見ても黒、そんな場所に放り出され、また長い、永い、あいだ、ひとりで。

 

嫌だ、いやだいやだいやだーー!

 

やだ、やだ、ここからだして、きづいてだれか、くらい、くらい、こわい、さびしい、ひとりにしないで、たすけて、たすけてたすけてタスケテタスケテ……!!!!